<Header>
<Author: 張若虛>
<Title: 春江花月夜>
<Format: 格式不明>
<Year: 2000>
<BookName: 校注唐詩解釈辞典>
<Translator: 松浦友久>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 春江花月（しゅんかうくわげつ）の夜（よ）>
<BookPage: 246-255>
<UsedPage: 10>
<Feature: 1, 2, 4>
<End Header>
<Poem>
春江潮水連海平，
海上明月共潮生。
灩灩隨波千萬里，
何處春江無月明？江流宛轉遶芳甸，
月照花林皆似霰。
空裏流霜不覺飛，
汀上白沙看不見。
江天一色無纖塵，
皎皎空中孤月輪。
江畔何人初見月，
江月何年初照人？人生代代無窮已，
江月年年秖相似。
不知江月待何人？但見長江送流水。
白雲一片去悠悠，
青楓浦上不勝愁。
誰家今夜扁舟子，
何處相思明月樓？可憐樓上月裴回，
應照離人妝鏡臺。
玉戶簾中卷不去，
擣衣砧上拂還來。
此時相望不相聞，
願逐月華流照君。
鴻雁長飛光不度，
魚龍潛躍水成文。
昨夜閑潭夢落花，
可憐春半不還家。
江水流春去欲盡，
江潭落月復西斜。
斜月沈沈藏海霧，
碣石瀟湘無限路。
不知乘月幾人歸，
落月搖情滿江樹。
<End Poem>
<Translation>
春の長江の水は、遠く海につづいて平らにみなぎっている。その海上に明るい満月が、みち潮と共に湧きあがるようにのぼって来た。月の光はゆうゆらと波にゆられて千里万里のがなたにまで広がり、春の大江のどこにも、この明るい光のとどかぬところは無いだろう。江の流れはゆるやかにうねりつつ春の野辺をめぐり、月は花さく木立を照らして、花々はいずれも霰玉のように白く浮き上がる。あまりにも明るい月光のもと、空中に流れる霜の気も眼にとま らず、みぎわの白い砂も光の白さと見分けがつかない。江の水面もその上空も白一色に澄みわたって膨の影すら無く、さえざえと天空にたった一つ、輝く月が皇まれるばかり。――思うに、この江辺で初めて月を目にしたのはどんな人だったのだろう。また、この長江を照らす月は、いったいいつ、初めて人を照らしたのだろう。人の生は次々に世代を交替してとどまること無く移り変わるのに対し、江を照らすこの月は来る年も来る年もこのとおりの同じ姿をあらわす。変わることの無いこの月はいったい誰を待っているのか。見えるものといえば、長江がただひたすら流水を送りつづけるありさまだけだというのに。
折から白い雲がひとひら、はるかかなたへゆっくりと流れてゆく。こうして楓の茂る入江にたたずんでいると、旅する身のかなしさがそくそくと胸に迫る。今宵もこの江上に舟旅をつづける若者は、そもそもどこの人なのか。この旅人の帰りを待つ妻がひとり住む月下のたかどのは、いったいどこにあるのか。胸の痛むことには、その楼の上にも月の光がたえまなくゆらめき、夫と離れているこの若妻の化粧台を無情にも照らし出しているに相違ない。飾りを施した扉の中、簾を巻き上げても月の光までは巻きとめられる筈も無く、夫に送る衣を擣つ砧の上にも、払っても払っても月の光はおとずれてやまない。
この時、ただお互いのいる方角を望み見るばかりで消息を交わすすべとて無い。できることならば月の光を追って流れてゆき、なつかしい君を照らしたい。しかし(そんな私たちの気持を笑うかのように$かりがねが列を成して遠くへ遠くへと飛び去り、月の光も届かぬかなたへ消えていった。魚も水中深くざわめいていたずらに水面に波紋を起こすばかり(私たちがお互いに寄せようとする便りを伝えてはくれない$。
ゆうべ、しずかなふちに泊って、はらはらと花の散る夢を見た。
もう春も半ばだというのに、まだ家へ帰れないのがせつない。長江の水は春をおし流し、春は流されてもうすっかり無くなってしまいそうだ。淵の上空にかかる月は、今部もまた西へかたむいた。 かたむいた月は低く深く沈んで海上の霧にかくれてゆく。北の果ての碣石と南の果ての瀟湘との間には、気の遠くなるような長い旅路が続いている。今宵この月あかりに照らされてわが家へ帰りついた者は何人いるだろう。今や沈みゆく月の最後の光が、私の心をゆさぶりさいなみつつ、岸辺の樹々に満ちわたっている。
<End Translation>
<Formatted Translation>
春の長江の水は、遠く海につづいて平らにみなぎっている。
その海上に明るい満月が、みち潮と共に湧きあがるようにのぼって来た。
月の光はゆうゆらと波にゆられて千里万里のがなたにまで広がり、
春の大江のどこにも、この明るい光のとどかぬところは無いだろう。
江の流れはゆるやかにうねりつつ春の野辺をめぐり、月は花さく木立を照らして、花々はいずれも霰玉のように白く浮き上がる。
あまりにも明るい月光のもと、空中に流れる霜の気も眼にとまらず、みぎわの白い砂も光の白さと見分けがつかない。
江の水面もその上空も白一色に澄みわたって膨の影すら無く、さえざえと天空にたった一つ、輝く月が皇まれるばかり。
――思うに、この江辺で初めて月を目にしたのはどんな人だったのだろう。
また、この長江を照らす月は、いったいいつ、初めて人を照らしたのだろう。
人の生は次々に世代を交替してとどまること無く移り変わるのに対し、
江を照らすこの月は来る年も来る年もこのとおりの同じ姿をあらわす。
変わることの無いこの月はいったい誰を待っているのか。
見えるものといえば、長江がただひたすら流水を送りつづけるありさまだけだというのに。
折から白い雲がひとひら、はるかかなたへゆっくりと流れてゆく。
こうして楓の茂る入江にたたずんでいると、旅する身のかなしさがそくそくと胸に迫る。
今宵もこの江上に舟旅をつづける若者は、そもそもどこの人なのか。
この旅人の帰りを待つ妻がひとり住む月下のたかどのは、いったいどこにあるのか。
胸の痛むことには、その楼の上にも月の光がたえまなくゆらめき、
夫と離れているこの若妻の化粧台を無情にも照らし出しているに相違ない。
飾りを施した扉の中、簾を巻き上げても月の光までは巻きとめられる筈も無く、
夫に送る衣を擣つ砧の上にも、払っても払っても月の光はおとずれてやまない。
この時、ただお互いのいる方角を望み見るばかりで消息を交わすすべとて無い。
できることならば月の光を追って流れてゆき、なつかしい君を照らしたい。
しかし$そんな私たちの気持を笑うかのように$かりがねが列を成して遠くへ遠くへと飛び去り、月の光も届かぬかなたへ消えていった。
魚も水中深くざわめいていたずらに水面に波紋を起こすばかり$私たちがお互いに寄せようとする便りを伝えてはくれない$。
ゆうべ、しずかなふちに泊って、はらはらと花の散る夢を見た。
もう春も半ばだというのに、まだ家へ帰れないのがせつない。
長江の水は春をおし流し、春は流されてもうすっかり無くなってしまいそうだ。
淵の上空にかかる月は、今部もまた西へかたむいた。
かたむいた月は低く深く沈んで海上の霧にかくれてゆく。
北の果ての碣石と南の果ての瀟湘との間には、気の遠くなるような長い旅路が続いている。
今宵この月あかりに照らされてわが家へ帰りついた者は何人いるだろう。
今や沈みゆく月の最後の光が、私の心をゆさぶりさいなみつつ、岸辺の樹々に満ちわたっている。
<End Formatted Translation>